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『失敗しない遺言と相続』
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■相続 - 内縁の相手に残したいときは・・・
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私は、ある有名和食店のオーナーに、「内縁の妻に財産を残してやりたいのだが、どうしたらいいだろう」という相談を受けたことがあります。
二十数年前、彼は腕の良い板前として働いていたのだが、ギャンブルにはまり借金がかさんで、家計費どころか一銭も金を入れず、子供の食費さえ欠くありさま。愛想を尽かした奥さんは、子供を連れて実家に帰ってしまった。その淋しさから彼は、酒浸りの日々が始まったとか。
そんなとき、料理の腕は確かな彼を、同じ店の仲居さんが元気づけ支えてくれた。それが現在の内縁の相手で、彼女の励ましで立ち直った彼は、独立して自分の店を構えるまでになった。いまでは3店舗を構える立派なオーナー経営者として、業界でも有名人。
「独立騒ぎなどで、離婚手続きをせずに、ズルズルと現在まで来てしまった。内縁の妻の励ましと協力がなければ、オーナー経営者になんか、とてもなれなかっただろう。だから、自分の財産の一部でも内縁の妻に残してやりたいのだが」という内容でした。
そこで私は、彼に次のような説明をして、遺言作成を勧めました。
法定相続人は、法律上婚姻関係にある夫婦(配偶者)を対象にしていますから、夫婦同然に生活を共にしていながら婚姻届を出していない、このケースのような「内縁関係」の妻(夫)は、相手が死亡しても法定相続人になれません。
こうした場合には、遺言に内縁相手に財産の一部を遺贈する旨を書き記すことで、相続させることが可能になります。ただ、法律上の配偶者や子などから見ると、財産を横取りされると思い込みますから、法律で定める「遺留分」を侵害しない範囲で、具体的な財産の名称を挙げて相続させる配慮が必要です。
また、他の法定相続人とのトラブルが予想されますから、遺言執行者を指名しておいたほうが良いでしょう。
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